臥龍会はひとりひとりの個性を大切にする
書道会です

本部ブログ

本日8月号発送します!

2020.07.17


「八、花火」

町の花火大会に
君を誘ったのは数日前のこと。

君が隣にいる。
それだけで舞い上がってしまう。

この鼓動が君に伝わらないように
浅く息をしていた。

目の前に次々と上がる花火を見ながら、
僕は君に集中していた。

花火が上がる度、君は光ったり夜に沈んだりした。

きれいだ

僕が言いたかったのは君のこと。

きれい

君は笑った。

君が好きだ

声には出さなかった。


一瞬、君はなにかを言った。
それは花火の音で掻き消されてしまった。

僕は、それを聞き返さなかった。

花火が上がっている。

今年も、夏が来た。


topに戻る